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「どうしてですか?」
確認しておく必要がある。茶を勧める理由もいやがらせ以外は思いつかないし、なによりこの人の素性が全く思い出せない。警戒しておいた方がいいかもしれない。
「どうしてって……私は茶道部ですよ?」
葵は怪訝な表情でそう言う。
「茶道部の者が、お茶を勧めるのはそんなに珍しい事ですか?」
「いや。どうしてかな、と思っただけっす」
「残念ながら大竹君はいないようですが。どうします?」
葵はあたりをきょろきょろ見渡したあと、ちらりとこちらに視線を向ける。
緋影は彼女の事を疑いながらも、まだ腹が少々きつい事を再認識した。
しばらくは動きたくない。それにこの際、彼女の正体、自分に親切に接してくる目的も探っておきたい。
「じゃ、ありがたく」
だから、緋影はお茶の誘いを受けた。