茶室

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ほぶ24

ほぶ24

「先輩。一つ聞いていいですか?」

「なんですか?」

「どうして俺に対してそんなに親切なんですか?」

鋭く疑問を蒼い瞳に投げかけた。

「ずっと記憶を探っていたんですが、どうしても先輩の事が思い出せない。俺には先輩の記憶がないのに、先輩はそんな俺の事を知っていて、親切にしてくれる……なぜです?」

自分を落ち着かせようと、言葉を噛み締める様に話す。

「……正直に答えて下さい。あなたは……何者ですか?どうしてそんなに親切にしてくれるんです?何が目的ですか?」

これで彼女の尻尾―葵の素性、及び目的―がつかめるとは思っていない。だが何らかの反応、もしくは意表を突かれた事で沈黙を示したらかなり怪しい。

葵はすくっと立ち上がり、彼女自身のバッグをがさごそと物色し始めた。

(まさかあの中から凶器が出てくる、という事は無いよな?)

こんな人目のつきそうな所で自分をどうにかすることはないだろうが、用心の為に僅かに腰を浮かせいつでも逃げ出せる体勢を整える。

しかし、葵が取り出した物は、

「先輩?」

葵は糸にそれを括りつけ、目の前までやってきてゆらゆらとそれを揺らしている。

「む〜〜〜〜」

真顔で糸に括りつけた五円玉を目の前で揺らし続ける。

「駄目ですね。やっぱり私は催眠術の才能はないようですね」

「……何やってんすか……」

どうしてこんな突拍子もないことをするんだ、この人は?

安堵の息を吐き出しながら肩を落とした。